民主党税制調査会の復活
(会長には、藤井元財務大臣が就任)

野田新政権発足後、約1ヶ月。

東日本大震災の復興支援、景気浮揚対策など様々な課題への具体的な実践化が期待される中、これまで封印されていた「民主党」税制調査会が復活。会長には、あの小沢元代表と一線を画した藤井元財務大臣が起用され、今年度の第3次補正予算案における財源を確保する為の税制上の措置を巡って議論が繰り広げられています。

この民主党税制調査会。民主党が政権を奪取した2年前から今日まで、これまで自民党政権下で存在していた党としての機能を政府税制調査会に一本化し、政府の責任の下で税制改正の議論が行われていましたが、連立政権下においては方針の一本化が機能せず、逆に責任の所在が不明確であるという批判なども受けて、与党内での反対論のある増税論に関与させ、責任も連帯させる狙いがあるともいわれています。

要するに、財政再建派としての重鎮藤井元財務大臣を会長に引っ張ることによって、党内の増税慎重派に睨みをきかせる狙いが鮮明で、ずばり、「増税」に向けての具体的な法案作りに着手したことが明らかになったといわざるを得ません。

そんな中、復興に向けての具体的な支援として、税外収入としてのJT株及び東京メトロ株の譲渡及び公務員給与の引き下げなども盛り込まれ、当初見込みより2兆円は圧縮されるとのことながら、残りの11兆円強の財源を増税分として所得・法人税を中心に「復興貢献特別税」として、定率増税案が審議されております。

この増税案。現在検討されている具体的事項としては、所得税を10年間5~10%、法人税はドサクサにまぎれて、本年度の税制改正に盛り込んだ(現時点では実行されていない)実効税率を5%引き下げた上で、更に数%を3年間増税、たばこ税の更なる増税など、様々な議論がとり行われております。

東日本の1日も早い復興の為に、必要とされる財源確保と配賦方法についても早期に法整備されるべきであります。又、来年度の税制改正案として、いよいよ消費税及び相続税の増税をはじめ、大増税が囁かれています。

皆様におかれましては、税制について今後どのような方針が打ち出されるか、ご確認頂くと共に、税対策などの見直しをご一考されてはいかがでしょうか?

執筆者 理事 税理士 中島 丈道

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