「中小企業金融円滑化法」終焉の影響

文化放送の朝の情報番組、「福井謙二のグッモニ」に4/15(月)、電話出演させていただきました。

この番組は日々のニュースの中で気になる話題を取り上げ、当事者や専門家に電話で話を聞くと言うコーナーです。今回のテーマは、平成25年3月31日に期限切れとなった「中小企業金融円滑化法」と「不動産市場への影響」。法律のお話と実際の不動産市場に与える影響について、噛み砕いてお話させていただきました。

あまり知られていないことなのですが、中小企業金融円滑化法は、住宅ローンを抱えた個人も対象とされておりました。

福井: 金融円滑化法の期限切れにより個人向け住宅ローンが新たな火種になる心配は?
坂口: 火種になる可能性はありますが影響は相対的に小さいものに留まるのではないでしょうか。終了後も金融機関は従来と変わらず柔軟に対応することが義務づけられていますので。ただそれがいつまで続くかという保証がないのも確かです。
福井: 住宅ローンの返済猶予が終わることによる住宅市場への影響は?
坂口: 不良債権処理として、競売、任売が実行され不動産市場に中古住宅の供給が増えることが予想されます。需給バランスから不動産価格の下落も考えられる一方、アベノミクス効果も手伝い、潜在的な需要が喚起され不動産市場の活性化も期待されます。

また個人的な意見としてひとつ加えたこととしましては、今後の景気回復に伴い給料も上がれば返済は滞らないのですが、そうならない可能性も考えられるため「日本版サブプライム」が起こり、多くの住宅ローンが不良債権化する懸念があることもお伝えました。これに対する福井さんの反応は意外に大きかったです。

そして驚いたのはこの電話取材後、不動産を多く所有されるオーナー様より今後の動向についての問い合わせが増えてきたことです。金融円滑化法が終焉を迎えたことに伴い今後、隠れ不良債権が市場に出回るもしくは、不良債権化する前の意思決定で所有不動産の処分を急ぐ等、特に今秋以降、不動産に関する取引が活性化することになるでしょう。

当社団では、法務・労務・税務相談を含め、ご所有の不動産に関する相場間、価格の適正性についてのご相談も受けておりますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

執筆者 不動産鑑定士 坂口 由記

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